ハスカップの歴史は北海道にあり
■もともとはシベリアから渡ってきた果実
ハスカップと言えば、北海道の苫小牧や厚真、そして千歳などに自生している北海道ならではの果実というイメージがあります。しかし長い歴史をたどると、もともとは寒いシベリアから渡り鳥などによって持ち込まれたのが起源です。ハスカップが日本へ持ち込まれたばかりの時期には、北海道のあらゆる場所にハスカップが自生しようと試みましたが、北海道原野の厳しい自然条件によって自然と淘汰され、最終的には苫小牧エリアに広がる有払原野のみで自生できたのです。
■北海道では古くから保存食
苫小牧エリアでは、ハスカップが広く群生していたため、地元の人達にとっては古くから冬の間の保存食として重宝されてきました。砂糖漬けや塩漬け、焼酎付けにするなどして、梅干しがなかなか手に入らなかった時代においてはハスカップの塩漬けなどが梅干しの代わりになったとも言われています。
ハスカップの健康効果が広く知られるようになり、販売されるようになったのは、大正時代に入ってからです。当時はご当地グルメ的な存在で、苫小牧に足を運んだらハスカップ食品を買うという人が多く、ジャムや羊羹、ジュースなど、ハスカップを原料にした加工品が人気でした。
現在でも、北海道の苫小牧はハスカップの日本最大の農作地ですし、自治体が町おこしの目的で大規模な栽培がおこなわれています。他の地域ではなかなか栽培しにくい植物なので、今後もハスカップは北海道と長い歴史を共に歩んでいくことになりそうです。